第64回  わすれてました


今年は音楽映画づいておりまして、『キャデラック・レコード』に続いて
今度はロック?映画『The Boat That Rocked』(パイレーツロック)です。

1966年、ブリティッシュ・ロック全盛期の時代に、イギリス国営放送は
なんと一日に45分しかロックを放送しなかったそうです。

過去、白人の子供達が黒人音楽を、親の目を盗んで聴いていたように
アメリカの子供たちが、大人が嫌うロックン・ロールに熱狂したように。
イギリスの若者たちももっとロックが聴きたかったはず。

そこで、北海に一隻の舟を浮かべて、グレイトなロックナンバーを放送する
『海賊放送』が生まれました。

なんとリスナーは国民の半分だったそうです。

8人の個性的なDJが放送する番組は、イギリスの若者達の心を鷲掴みにしていたそうです。

思えば、私もロックを聴き始めた頃、学生なのでお金もなく、ラジオのエアチェック(死語?)が
命でした。

最新アルバムをまるまる一時間かけて紹介してくれる番組。

洋楽のライブ番組(ライブ・フロム・ザ・ボトムラインとか?)

ミュージシャンの特集番組

などなど、エアチェックしたテープもまだ大事にしまってます。

いつから、日本のFM局はこんなことになってしまったのでしょうか?

当時、ラジオ番組が載っている専門誌も2〜3誌出ていたと思います。

今は、情報がありすぎて、音楽自体が持つ曲の良さなどをリスナーが個人個人で判断出来ず
ミュージシャンのブランド名、売り上げ枚数、ラジオでかかる回数(大嫌いなヘビーローテーションってやつです)など
を基準して、それがさも良い曲やと思いこんで聴いている事が多いのではないのでしょうか?

それが証拠に、音楽メディアもCD、DVDなどで買わず、一曲いくらの切り売りです。

我々が学生の頃は、友人に音楽好きが多かったので、とにかく友人の聴いていない曲、ミュージシャンを探すのに
血眼になってました。

この映画を見て、そんな情熱があったころ(今でもあるつもりですが・・・)を思いだしました。

各DJたちの台詞にも泣きました。

死ぬまで音楽をリスナーに届け続けてやるっていう心意気には胸を打たれました。

もちろん、サウンドトラックが最高です。

冒頭の『KINKS』にやられてください。

『パイレーツロック』

http://www.pirates-rock.jp/
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